Kリーグの“常勝軍団”全北現代との差は?蔚山現代が王者になれないワケ

2020年11月11日 サッカー #Kリーグ
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「私も不思議だ。いつも重要な試合では勝利を収める。イ・ドングッのような(優勝経験のある)先輩たちが導いてくれる」(MFホン・ジョンホ)

「強豪チーム相手の試合では集中力とモチベーションがいつもより上がる。全北現代は(レギュラー)1人が抜けたからといってあたふたするようなチームではない」(MFイ・スンギ)

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今シーズンのKリーグとFAカップを制し、リーグ4連覇とシーズンダブルを達成した全北現代モータースの選手たちの言葉だ。

強豪クラブに必要な要素

トップクラスの戦力を有するビッグクラブでは監督の手腕も重要だが、正常なチーム文化と精神が根付いていなければ強さを維持できない。

バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)やFCバルセロナ(スペイン)など、ヨーロッパのビッグクラブも単純にハイクオリティな選手だけを集めて名声を維持しているわけではないだろう。その選手たちを率いる指導者のチームマネジメント能力や、一貫したチームのフィロソフィーが存在しているおかげで、その地位を維持できている。

Kリーグの“全北1強”を阻止する対抗馬として2年連続で巨額の投資を行った蔚山現代FCだったが、今シーズンはまたしても国内タイトルを奪還できなかった。

今シーズンFAカップ決勝で勝利し喜ぶ全北(緑)と、落胆する蔚山(青)の選手たち

全北と蔚山の差とは

今シーズンの覇権奪回は成しえなかったが、蔚山が“打倒全北”を掲げて歩んできた2年間を決して無駄にしてはならない。

近年、Kリーグチームを保有する企業たちの投資が縮小したことにより、ピッチ上と運営の両方で後退するなか、蔚山は“名門再建”を掲げて確実な投資で他チームをリードしていた。対する全北も常勝に慢心することなく、堅実な対応でKリーグの成長を促進させていた。

蔚山の来シーズンに向けての選手補強は、この2年間の教訓を活かせるかがカギとなる。

結果を出すためには、選手の獲得だけが答えではないことを痛感したはずだ。蔚山はライバルの全北と比較して、所属している選手のネームバリューは大差ないにもかかわらず、重要な勝負どころでは委縮しているように見えた。

これはFAカップ決勝でのダービーマッチ敗戦という結果にもあらわれている。

ピッチ上で一見しただけではわからない、目に見えない部分での差が大きかった。全北は一時代を築いたチェ・ガンヒ監督が中国に去ったあともキム・サンシクコーチと、今季で引退するベテランのイ・ドングッ(41)がチームの精神的支柱として安定を保っていた。

全北の選手たちはベンチからの指示がなくとも、自分たちで考え、自信を持ってピッチ上で実行するということができていた。個人戦術ではむしろ一枚上手と見られた蔚山だったが、チームとして全北を上回れなかった。

かたや蔚山はキム・ドフン体制発足から4年が経過したが、主力選手の出入りが多かった。チームリーダーや、戦術の骨子となる選手が長く在籍しなかったため、そのたびにリスタートしなければならなかった。

2019シーズンに蔚山でMVPを受賞したキム・ボギョンは、今シーズンからライバルチームの全北に移籍している。その他にもDFラインやGKといった主要ポジションのレギュラー陣の顔ぶれも変わった。

蔚山時代のキム・ボギョン

代表クラスの選手たちを取り揃え、華やかさを加えることは重要だが、Kリーグチャンピオンとして君臨する全北の熟成度や、対応力に勝てなかったといえる。

蔚山がKリーグチャンピオンとなるには、チームの軸となる選手を固定し、さらに細分化した役割と責任感を植え付けることが重要だ。強豪クラブへの基礎をしっかりと作らず、目先の結果だけを追い求めていても、“打倒全北”は絵にかいた餅で終わるだろう。

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